映画公開後に取材のため現地に行ったジャーナリストが、自分がチャーターした
タクシーの運転手がたまたま宮崎監督がロケハンの時に案内をした人で驚いた、
という話を披露しています。
名所を回るだけでなく、なんでもないような場所に車を停めさせてはじーっと空
ばかり見ていたのを覚えている…と、その運転手は話したそうです。
監督は、資料として多くの風景を頭に入れると同時に、その場の空気や感覚を
そんなふうにして心に刻んで持ち帰ったに違いありません。
ウェールズ出身のC.W.ニコル氏が、後に宮崎監督とこの映画について語り合
った時に、自分の故郷をここまで懐かしく想起させる作品はない、と絶賛したそう
です。
とすると、ラピュタは今も、ウェールズの上空のどこかを彷徨っているのかもしれ
ません。
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